世界を知る
- 教養・スキルアップ
今回は9月27、28日に行われた桐朋祭開催中に並行して行われた教育研究所の成果発表会の折に行ったデモンストレーションの内容です。今回は「共生」というテーマで行いました。
現在国際社会ではアメリカをはじめ多くの国で民主主義という基本的な考え方を覆すようなことが横行しています。共生とは、異なる人々がお互いを認め合い支え合いながら共に生活していくこと。決して相手から奪ってはならない。そんな社会で生きていけばお互い対立することなく気持ちよく過ごすことができるという考えです。ところがトランプ大統領はMAGA政策を推し進めDEIという考え方を否定しています。DEIとは多様性、公平性。包括性を大切にすることです。世界全体を見ると多く国でこれを無視するようなことが横行しています。その行動を支えるのはSNSによる発信が大きな部分を占めています。日本の新聞購読数は2007年には1家庭当たり1紙以上あったのですが2024年には0.45紙になってしまいました。多くの人が発信源を気にせずSNSから入って来る情報を基に考えることが多くなります。自分に耳触りの良い情報を選り好んで聞くことによって正しくない考えに染まってしまう可能性もあるのです。トランプ大統領の移民政策もそうですが、9月中旬にロンドンで起きた移民反対のデモもSNSを通じて極右の考えを信じた人達が反移民反ムスリムを訴えて11万人も集まりました。これはヨーロッパ各国で起きている選挙結果にも通じるものがあります。自国第一主義。この考えは本当に良いのでしょうか?
日本は人口が減少しています。高齢者の人数がどんどん増える中でそれを支える人が不足しています。実際に高齢者施設で働く人に外国籍の人が増えています。それだけでなく、これからの社会を日本人だけで全てを動かすことは出来なくなっています。そのような中で私たちが外国籍の人たちと「共生」していくにはどうしたら良いかを考えていかねばなりません。
外国籍の人が最初にぶつかるハードルは日本語の難しさです。それについて例を挙げながら話をしました。今。国や自治体は外国籍の人を受け入れるために KIND and EASY という考えで発信しています。外国籍の人にやさしい社会作りが必要です。この対応は障害を持っている人にも同様な対応が必要です。私たち一番気づきにくいのは耳の不自由な人です。目の不自由な人、精神的な障害を持っている人、高齢者の人 それぞれにやさしい社会でおあるべきです。子どもが遊ぶおもちゃに「盲導犬マーク」や「うさぎちゃんマーク」というのが付いているものがあります。目や耳の不自由な子どもたちに使いやすいおもちゃの開発も行われています。さらに左利きの人に不便な道具も沢山あります。これらのハードルを低くするためにユニバーサルデザインという考え方が広がっています。
最後に日本の常識と世界の常識の違いという事でガーナのお葬式について話をして今回のデモンストレーションを終えました。