講座だより

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桐朋講座の活動の様子やイベントなどを、折にふれてお伝えします。
実施した講座内容のご紹介などもあります。

講座だより一覧

モゲ散歩

今回は東武東上線の大山駅からときわ台駅までを歩きました。大山駅は旧川越街道に沿った所に位置し大きなアーケード商店街を持っています。全長600m余りの商店街になっています。現在都内でもいくつものアーケード商店街が見られますがその規模としては大型のものとなっています。そこを抜けると現在の川越街道が走っています。その通りを北西に行くとY字路になります。右に行くと旧川越街道になります。ここで少し南側に道路を入ると提灯屋さんがあります。現在でも手描きでお作りになっているというお店です。そこから旧川越街道にもどると副戸長の碑があります。明治維新になって戸籍を整備するにあたって行政実務を担当する人として戸長と副戸長を定めたのですが、その副戸長のかたの顕彰碑でした。この道が石神井川を渡る所に下頭橋が架かっています。頭を下げるという橋ですが、川越藩の大名が川越街道を行き来する時に地元の人がこの橋の所で頭を下げて出迎えたということからこの名があるといいます。この近くには中世に豊島氏が作った板橋城があったと言われていています。これらを見ながら考えて見ると、この辺りには古くから人が住んでいたようで、石神井川沿いには縄文時代の住居址も残っています。氷川神社や御嶽神社、天祖神社などの神社も散見されます。東京の北部ですが、歴史を感じさせられる場所でした。

世界を知る

上海で開催されている自動車ショーで中国企業が充電時間5分で400Km走行可能なモデルを発表しました。日本ではまだ電気自動車の普及は進んでいませんが中国では販売数の半分以上が電気自動車といいます。環境問題も考えた時に廃電池の問題などもありこれから世界はどう対応していくのでしょうか。カシミールでイスラム過激派による銃撃事件が起きました、20人を超える命が奪われました。これを受けてインドは対パキスタン政策を強硬なものにしています。カシミールはいまだにはっきりとした国境が決まっていないところでもあります。農業に大切な水問題もこの対立に含まれてしまいました。どのように解決していくのか難しい問題です。フランシスコ教皇が死去しました。丁度公開されている「教皇選挙」という映画と同じことが行われています。庶民的な人物と言われたフランシスコ教皇。世界平和と人類愛に自分の生涯を捧げた教皇の願いを実現したいものです。トランプ大統領がウクライナ和平案を提示してきました。内容はロシアに有利な部分が多くウクライナやヨーロッパ諸国がすぐ受け入れるか不明ですが、トランプ大統領は「期限がある。それを過ぎれば手を引く」という態度を示しています。何故アメリカは先を急ぐのでしょうか? その理由も考えてみました。トランプ大統領の施策が次々に繰り出されている中、G20財務大臣中央銀行総裁会議が開かれました。多くの国が関税問題が世界経済に与える影響が余りにも大きいという懸念を表明しました。今行われている国内改革も問題です。アメリカは世界をリードする科学力を持っていますが現状ではそれを推し進めていくことが出来ない状況になっています。大学に対しての圧力も大きな問題です。乱高下する金融市場をどのように沈静化していくのか。有効なトランプ対策を各国が色々と考えていく必要があります。

モゲ散歩

2025年度前期モゲ散歩最初の散歩です。今回は八丁堀から茅場町方面に歩きました。八丁堀といえば奉行所に勤める与力や同心が住んでいた所として有名です。いまは面影もありませんが八丁堀の跡に作られた公園や中央区の郷土資料館で当時を偲びました。そこから忠臣蔵で有名な堀部安兵衛邸宅跡に行きました。そして掘割を渡って霊岸島に行きます。ここには明治になって四谷左門町から遷座した御岩稲荷田宮神社があります。怪談のお岩さんを祀った神社です。当時は広大な敷地にあったようですが関東大震災で被災し、現在は小さな神社になってしまいました。近くには金毘羅神社や新川大神宮などの神社が数多くあります。この霊岸島の中央には霊岸寺がありましたが、振袖の大火で被災し、先日訪れた清澄に移動してしまいました。今は公園になっています。そこから茅場町方面に歩いていきます。周辺にはたくさんの証券会社のビルが立ち並んでいます。ここは兜町といわれる所で東京証券取引所があります。この建物の中には渋沢栄一の邸宅内に縁起物としておかれていた佐渡産の赤石が展示されています。近くの日枝神社は御旅所と呼ばれ山王にある日枝神社のお祭りのときに担がれるお神輿がここで休むといいます。その先には明治時代日本初の火力発電所があった「電灯供給発祥の地」や「第一銀行発祥の地」「郵便発祥の地」などがあり、東京の中心地であった事がわかる遺跡がたくさんありました。

世界を知る

世界は時々刻々変化をしています。世界で進むポピュリズムの影響はかなり大きくなっていると考えます。そんな世界で起きていることを取上げていくのですが、その原因や対応を調べていくのはかなり難しいと思っています。今回の講座では停戦から戦闘状態に戻ってしまったガザ地区についてイスラエルの考え方に変化があったことを指摘しました。ハンガリーのオルバン首相がウクライナ問題でEUの結束に抵抗しています。アメリカが距離を置いたウクライナを助けるためにはどうしたら良いのかを考えていく必要があります。和平の光が見えないウクライナ紛争です。現在でも民間人の犠牲が増えている中で大国の力のバランスで解決しようとしています。国際社会の中でこういった問題をしっかり考えて行動していく必要性を強く感じます。ブルネイという国を取上げてみました。税金も教育費もないという国家です。財源は石油と天然ガス。これを輸出して栄えていますが、イスラム教を基にした法律で国民を縛り付けています。高齢の国王が特権を掌握していて海外からも批判を受けているのですが是正しようとする動きはありません。エジプトで古代文明の遺跡が次々に発見されています。歴史を塗り替えるような発見もあり、歴史のロマンを感じさせられることでした。最後にアメリカに関連したニュースを取上げました。トランプ大統領の政治のやり方に様々な問題が起こっています。全国で反対するデモが起きていますが若者や移民の参加が少ないと言います。参加すると拘束されたり学位を取り消されたりとトランプ大統領が圧力をかけているからです。大学側も抵抗していますが補助金をカットするという圧力をかけています。こういったことがアメリカにプラスになるのでしょうか?関税問題を解決するために赤沢大臣が渡米しました。急にトランプ大統領が直接会うというハプニングがありました。日本がどのように対応していくかが今後の世界に大きく影響しそうです。

モゲ散歩

2025年度最初の授業です。今回は学校の教室での座学という事になりました。今回は地名についてお話しするという趣旨でスタートしました。地名は人間が生活してく中で自分の居場所や目的地を示す語が地名になっていったと言えます。その中で人間が集団として居住する最小単位をムラと呼ぶようになっていきます。そこで他の集団との区別をするために固有の名前を付けていきます。それが地名です。時代が過ぎていくとそれぞれの集団が大きくなっていきます。その最小の単位を「村」とします。その村が次第に規模を拡大していくと町になります。この時の町は田畑の畔道が領域の区切りになります。「町」という字の成り立ちがそこにあります。時代が進むと物を作る職人たちが現れきます。その職人を含む人口が居住することになるとその領域は徐々に拡大して大きな街が形成されます。この「街」の字の成り立ちは大きな街にはたくさんの十字路があるからちうことになります。こうやって街といわれるところはどんどん大きくなっていきました。そこに固有の名前を付けていくのが地名です。様々な難読地名も現れてきます。この地名が明治になると市町村合併で姿を消していきます。今までは地名からその地域の暮らしや歴史がわかるような所もあったのですが、市町村合併でカタカナ文字の地名の登場など大きな変化が起きています。

世界を知る

2025年度の講座が今日から始まります。最近新聞やテレビのニュースにはトランプ大統領について触れない日はないという状況です。この中で講座の話題を探すのは一苦労です。先ずは日曜日から始まる大阪関西万国博覧会についてです。「命輝く未来社会のデザイン」をテーマに様々な新しいテクノロジーを駆使した展示が展開されるようです。しかし、まだ完成していないパビリオンがあったり、メタンガス発生の問題があったりちょっと心配な部分もありますが、6か月という時間で多くの人が将来について考え、楽しむことが出来れば良いなあと思いました。ウクライナ侵攻については和平への道は遠いと思わざるを得ません。そんな中、中国兵が捕虜になったというニュースがあり戦線の変化が心配されます。あとはすべてトランプ大統領の出す大統領令や政策についての話になりました。90日間の延期が決まった相互関税ですが、そうなった背景にはアメリカ国債の動きが影響していると思われています。そこで国債についてアメリカと日本を比較してみました。日本も借金大国ですがアメリカも同じです。そのためかなり強気で関税政策を推し進めてきたトランプ大統領ですが、安全な国債といわれたアメリカ国債が売りに出され、国民に不安を与える金利が上昇することになったのが、延期という判断につながったのではないかと考えられます。これからの90日間様々な国がトランプ政権と話し合いをし関税を引き下げようと苦労するのだという感じです。この相互関税で50%を課せられた南アフリカのレソトという国は、アメリカ向けの衣料品を大量に作っています。もし関税が発動されるとこれらの製造会社がつぶれることになり、経済不安が高まることになります。中国との関税の掛け合いもピークに達しています。この状況はどのように回避されていくのでしょうか。

モゲ散歩

今年度最後の散歩になります。今回は高尾の駅からスタートです。高尾の北側には戦国時代に作られた八王子城があります。小田原北条氏の支城で山の稜線を巧みに使った山城でした。北条氏が滅亡したあと幕府の直轄地になったりしたこともあり、遺構はしっかり残っていて、現在はきれいな公園になっています。この城跡を見学しました。城の正面には寺院が残っています。もともとこの地区は鎌倉時代から人が多く住んでいたようで、梶原景時が所領として受け継いだところが基になっています。この地に鶴岡八幡宮にあったご神体を移した八幡宮が作られ鳥居の前には景時が植えた杉が残っています。その後北条氏が入って多くの武士が住んだこともあり近くには刀工が数多く住み着いていたようです。ということでこの辺りを元八王子と呼ぶそうです。ここから南に行くと大正天皇と昭和天皇の陵があります。広大な森の中に上円下方墳が4基まつられています。この陵に参拝する人の為に昭和初期に京王線が鉄道を引きました。戦争が激しくなって廃線となりますが、その線路の一部を使って後の高尾線が開設されました。今でも浅川の近くに当時の橋脚が残っています。

世界を知る

今回の講座が2024年度の最後になります。この1年間様々な事がありましたが、やはり一番大きいことはアメリカの大統領選挙と現在の状況を扱うことが多かったと思います。前半は新型コロナの蔓延という話題が大きかったのですが、現在は落ち着いてきたように思います。

さて今日ですがエジプト文明展の紹介から始めました。老化をも防止するという成分を発見した健康食品メーカーの話もしました。トランプ大統領関連がどうしても多くなります。SDGsに関する取り組みを中止するということやウクライナからの避難民を強制帰国させようとしているとか、とにかく話題が多いのです。その考え方をするに至ったのはどのようなことが影響しているのか? そしてこのままでいくとアメリカの地位の低下が起きてしまうのではということにも考えを広げました。世界が平和に過ごせるようにという考え方が大国を率いる指導者に欠けているのではないかと思うことが余りにも多いように感じます。最後にアサド政権が崩壊したシリアについての報道が少なくなっている中で現地取材をした記者の報告をもとに現状がどうなっているのかを説明しました。そんな折、旧アサド政権を支持する勢力と現政権が衝突する事件が起きました。多くの一般人が犠牲になりました。この国が平和を取り戻すためにも多くの国の支援が必要だと考えます。

モゲ散歩

今日は春の陽光を浴びながらの絶好の散歩日和でした。今回は洗足池近辺を散歩しました。集合は池上線の石川台という駅です。五反田から蒲田を結ぶ3両編成のローカル色の濃い電車で集合場所に行きました。ここは中原街道に沿った部分になっています。中原街道は古代から重要な道として作られていたので史跡も多いのです。中原の名は江戸の虎ノ門から平塚市中原まで結んだ道から付けられたものです。東海道は参勤交代道中があったりとせわしないので江戸時代の一般の人はこの道を通って平塚に行ったという事です。中原には家康が作った御殿があり駿府へ行く時とか鷹狩りの時にこの道を通って御殿に行ったようです。洗足池の所には妙福寺というお寺がありますが日蓮上人が池上本門寺に行く時に足を洗った所とされていて、境内にはその時着ていた袈裟をかけたと言われる松がありました。日蓮上人が足を洗ったということで池の名を洗足池というそうです。しかし地名は千束となっています。これは平安時代に平将門征伐に派遣された人がこの池の所に居館を建て住みつき姓を池上と名乗ったとのこと。そして元貴族であったことから地元の人たちの租税を米千束(せんたば)免除したという事から付けられたと言います。池の傍にある千束八幡宮は房総から鎌倉に戻ろうとした源頼朝がここに八幡宮があることを知りここで鎌倉攻撃の旗揚げをしたところ周囲にいた武士がたくさん集まったという話も残っています。またこの地を愛した歴史の偉人に勝海舟がいます。海舟は池の傍に別邸を建てて晩年はここで過ごしていました。遺言でこの地に墓を作って欲しいとあったため現在池に面して勝夫妻の墓所があります。近くにある勝海舟記念館では勝家の家系図が公開されていますが先祖場物部守屋だという事がわかるという家系図が展示されていました。中味の濃い散歩になりました。

世界を知る



日本の少子化が急速に進んでいます。昨年は婚姻数が増えているのですが出生数は前年比5%減です。女性に育児を頼る傾向や養育費の高騰もありますが産科医のいない地域が拡大しているというのも原因になっている可能性があります。異常気象が世界各地で発生しています。その原因の1つは偏西風の屈曲によるところが大きいと言われています。人間活動が盛んになった結果気温や降水量の変動が大きく影響していると言われています。大船渡の山林火災もその影響を受けています。マイクロプラスティックの人間に与える影響が問題なっていますが、身近にあるティーバッグに注目して見ました。大阪万国博覧会の開始まで43日となりました。最新技術がたくさん展示されるそうですが人型ロボットも進化を遂げているようです。国連で同じ日にウクライナ侵攻に関する決議案が総会と安全保障理事会で話し合われ違った内容の決議がされました。アメリカとヨーロッパの関係に大きな変化が現れたものになりました。国際社会での共通認識形成に大きな問題点が生じてしまった感があります。そのウクライナに平和は訪れるのでしょうか? 今日ゼレンスキー大統領がトランプ大統領と会談します。アメリカ主導の考えが前進するのでしょうか?トランプ大統領の施策が次々に出されています。それを受けて世界各国が対応しなくてはならないのですが、グローバルサウスと呼ばれる国々も注意して対応しないと大変な痛手を受けることになるだろうという事を考えました。今のアメリカは自国中心主義を貫き、国際協調で問題解決するという方向を崩そうとしています。この段階での発信に疑問を持つ人も多いと思います。世界はお互いに助け合う事によって平和な国造りに進もうとしていたはずなのですが、現在はポピュリズムの考え方が強くなってそのバランス崩れようとしています。世界の指導者たちがもっと将来を考えて行動して欲しいと願いばかりです。



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