講座だより
桐朋講座の活動の様子やイベントなどを、折にふれてお伝えします。
実施した講座内容のご紹介などもあります。
講座だより一覧
世界を知る
現在世界のニュースの主役は何といってもアメリカのトランプ大統領です。トランプ大統領に関連するニュースは毎日必ず取上げられています。本当に話題のヒットメーカーという感じです。日本では高値安定してしまっているコメの値段が話題の中心になっています。失言問題をおこした江藤農水大臣が辞任して小泉氏が後任になりました。大臣が変わっただけで米価が下がるのか? 農協改革を訴えた小泉氏がこれからどのようの手腕を見せるのか楽しみです。22日ワシントンでイスラエル大使館員が射殺されると事件がありました。犯人はパレスチナの解放を主張しました。イスラエルの国連大使は「反ユダヤ主義者による卑劣な行為」と表明しトランプ大統領も批判しました。しかしガザ地区では毎日何十人もの人がイスラエル軍によって殺害されています。そこに何の差があるのでしょうか。人の命に差があるなんておかしいと思うのが普通なのではないかと思うのですが。今イスラエルはガザの占領を目指しています。世界がどうこの戦いを収束に向かわせることが出来るのでしょうか? 今鳥インフルエンザの拡大が問題になっています。人間の生活範囲の拡大が未知の病原菌との遭遇につながります。WHOではパンデミック条約を採択しました。一方でアメリカはWHOを脱退し拠出金を停止しました。これによる影響はかなり出始めています。トランプ大統領がウクライナ和平のためにプーチン大統領と電話会談しましたが結果は期待外れ。ロシアの強硬な姿勢が改めて強調されただけでした。どのようなことになって行くのでしょうか? トランプ大統領が進める関税政策は世界に大きなマイナスの影響を与えています。アメリカの格付けが低下しましたがその理由はアメリカ国債が安全資産ではなくなってきたからです。今年国債に関する利払いが高額になることが予想されていることも原因の一つです。またトランプ大統領はホワイトハウスで他国の大統領と口論になりかけました。今回は南アフリカのラマポーザ大統領です。南アフリカの白人が不当に差別されている。多くの白人が殺されているという間違った情報を基にこの話し合いで取り上げたのです。民主主義国家の大統領がやるべきことなのでしょうか?今国内でのトランプ大統領支持に影が差し始めているという報告も出ています。さてどのように進んで行くのでしょうか?
モゲ散歩
先週も天気が良くなかったのですが、今日はまた雨の中での散歩になりました。板橋区の中板橋駅からスタートです。このあたりは中世豊島氏が支配していた地域なので、それに関するものがあります。専称寺もその一つ。この寺の前を通っていたのが鎌倉街道で石神井川を渡るために作られた橋からこの地の地名「板橋」が生まれたと言われています。現在史跡になっている「板橋」は江戸時代の中山道が石神井川を渡る所にありました。八代将軍吉宗に縁の田安家が帰依した日曜寺があります。本尊は愛染明王という仏様で色鮮やかな仏像は見ものです。また、この寺の扁額は松平定信が揮毫したものと伝えれています。この周辺には古い神社も多く見られます。その一つが轡神社です。徳川家康が鷹狩の時にこの地で休まれ、乗ってきた馬の轡を置いていったことからこれを祀ったと伝えられています。現在感染症で患者が急増している「百日咳」に霊験があると言われ多くの人たちの信仰を集めているようです。この地「板橋」は中山道最初の宿場町として発展しました。旧中山道沿いには古い建物も残っていて風情がありました。本陣・脇本陣もありましたが現在は碑が残るだけとなっています。縁切り榎という史跡もあります。縁を切るという事に霊験があるという事で広く全国から訪れる人がいると言います。江戸時代14代将軍に嫁ぐ皇女和宮は中山道を通ってきたのですが、縁起を担いでわざわざ避けて通ったという言い伝えがあるほどです。そんなところの散歩でした。
世界を知る
トランプ大統領の関税政策が世界に大きな波紋を広げています。4月の関税収入は前月比87%増の163億ドルになったということです。それでも債務超過は是正されずアメリカ経済の先行きは不透明のままであることには変わりありません。フィリピンの中間選挙で前評判を覆してドゥテルテ副大統領支持派が多数を得ました。親米親中それぞれの思惑が今後どのようになって行くのでしょうか。アメリカが海外への人道支援を大幅カットし、主要支援国もウクライナ支援や防衛力増強で資金を取られ人道支援への金額が減っています。しかし、現在でも多くの人たちが毎日の生活が出来ない、病気で明日を迎えることが出来ないという人たちへの様々な支援が低下しています。今後どのような国がどれだけの支援をしていくことが出来るのでしょうか?世界の平和を希求し人々の安定した生活確保を第一に考えて欲しいものです。トランプ大統領はなぜこのように世界を混乱に巻き込むような政策を次々に出していくのでしょうか? 専制国家の大統領のような行いは奇異に映るのですが、アメリカ国民は喝采を持ってトランプ大統領を支援しています。自分の周りにはYesManしか置かない状況の中で、異を唱えるとすぐにその職を追われてしまう。だから何も言えない状況が作り出されているのです。そしてメジャーなジャーナリズムはトランプ大統領のネガティブ面しか報道せず、結果的にその内容はフェイクであるとされてしまう。情報の信頼性の確保が課題という事になるのでしょうか。とにかく就任100日を超えていかに自分が偉大な大統領であるかを喧伝する状況の中で時間が進んでいます。そんな中で米中関税交渉が行われ115%減という大きな成果を得たと自画自賛するアメリカですが、本当にそうなのでしょうか? これからの時間でその答えが検証されることになるのだと思います。ウクライナ問題についても和平交渉が始まりそうですが双方の大統領は出席せず十分な成果を得られるのかが未定という結果になりそうです。トランプ大統領は中東の主要国を訪問しています。イスラエルには寄りません。今回の訪問で総額1兆ドル以上の対米投資を取りつけました。トランプ大統領は成果を誇示しています。しかし無視されたイスラエルはガザ地区への総攻撃を開始し毎日のように激しい攻撃が行われ多くの犠牲者が出ています。それぞれの立場での主張はあるとは思いますが「命」という視点でそれを守るための不断の努力を何故しないのか? 国際問題を考える時にその解答は簡単なものではないということなのです。
モゲ散歩
今日は東武東上線ときわ台からスタートします。ときわ台住宅は1935年に武蔵常磐台駅の開業からスタートします。東武鉄道がイギリスのニュータウン計画から派生した大田区にある田園調布の住宅開発に倣って計画しました。駅前から放射状に延びる道路とプロムナードと呼ばれる楕円状の環状道路に囲まれた地域にゆったりとした住環境を作ることを考えたのです。それから90年たった今も昭和初期の建築が残っていたりクルドサックやフットパス、ロードベイなど欧米の住宅街に見られるような設備を見る事が出来ます。そこから本蓮沼方向に向かいます。ここにはS&B食品の工場があったり駄菓子屋ゲーム博物館があったりします。この辺りは昔畑が広がっていてそこでは練馬大根が栽培されていました。その大根を収穫して洗ったという出井の泉という窪地が残っていたりします。近くには清水稲荷神社や熊野神社といった立派な神社もありますし鎌倉時代創建の長徳寺などもあり、歩きながらいろいろな景色を見る事が出来ました。
世界を知る
日本はゴールデンウィークで多くの人たちが楽しんだという報道がされていましたが、世界では様々なことが起こっていました。インドとパキスタンの紛争が拡大の様相を見せています。この二国は核兵器をたくさん所持しているので、まさかとは思いますが核兵器の使用などが起きないように願うばかりですが。フランシスコ教皇の後継者が誕生しました。カトリック教会内での改革派と保守派との対立が表面化している中で誰が後継者になるかが話題になりました。その結果4回目の投票でフランシスコ教皇路線を引き継ぐ改革派のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿が新教皇レオ14世になりました。様々な問題をどう解決していくかが見どころです。ロシアとウクライナの問題に関しては9日の戦勝記念パレードにあわせて習近平首席がモスクワを訪問しプーチン大統領と会談しました。プーチン大統領は戦勝記念日に合わせて一方的に3日間の停戦を宣言しました。しかしその間にもウクライナへの攻撃は続いています。トランプ大統領は無条件で30日間の停戦を提案し恒久和平への一歩を踏み出すべきだと話しました。そのトランプ大統領が起こした旋風が世界に吹き荒れています。ドイツ首相選挙やルーマニア大統領選挙ではトランプ旋風がプラスへ、カナダ総選挙やオーストラリア総選挙ではマイナスの影響を与えました。今後他の地域にどのような影響が及ぶのでしょうか? 今アメリカ関連のニュースでトランプ大統領の政策を記者団に発表するレビット報道官が目立ちます。ブロンドの白人女性がトランプ大統領を支えています。DEIを批判するトランプ大統領に対してなぜ彼女たちが支えるのか。アメリカの中で変化する保守派の人たちの姿から考えてみました。特に若い白人の人たちが何故保守化しているのかを考えた時にMAGAという考えがなぜ生まれてきたのかを考える鍵があるように思います。そのことから関連付けるとポピュリズム旋風が吹き荒れる世界はなぜそうなっているのかを知る手掛かりになるのではないかと考えました。
モゲ散歩
今回は東武東上線の大山駅からときわ台駅までを歩きました。大山駅は旧川越街道に沿った所に位置し大きなアーケード商店街を持っています。全長600m余りの商店街になっています。現在都内でもいくつものアーケード商店街が見られますがその規模としては大型のものとなっています。そこを抜けると現在の川越街道が走っています。その通りを北西に行くとY字路になります。右に行くと旧川越街道になります。ここで少し南側に道路を入ると提灯屋さんがあります。現在でも手描きでお作りになっているというお店です。そこから旧川越街道にもどると副戸長の碑があります。明治維新になって戸籍を整備するにあたって行政実務を担当する人として戸長と副戸長を定めたのですが、その副戸長のかたの顕彰碑でした。この道が石神井川を渡る所に下頭橋が架かっています。頭を下げるという橋ですが、川越藩の大名が川越街道を行き来する時に地元の人がこの橋の所で頭を下げて出迎えたということからこの名があるといいます。この近くには中世に豊島氏が作った板橋城があったと言われていています。これらを見ながら考えて見ると、この辺りには古くから人が住んでいたようで、石神井川沿いには縄文時代の住居址も残っています。氷川神社や御嶽神社、天祖神社などの神社も散見されます。氷川神社は鬱蒼とした林の中にありますが、ここの見どころは狛犬です。普通は石造りの物がほとんどですが、ここの狛犬はブロンズ製です。それも北村西望の作品です。1m以上もあるどっしりとした体躯は素晴らしいとしか言いようがありません。北村西望の作品は長崎にある平和祈念像が有名です。東京の北部ですが、歴史を感じさせられる場所でした。
世界を知る
上海で開催されている自動車ショーで中国企業が充電時間5分で400Km走行可能なモデルを発表しました。日本ではまだ電気自動車の普及は進んでいませんが中国では販売数の半分以上が電気自動車といいます。環境問題も考えた時に廃電池の問題などもありこれから世界はどう対応していくのでしょうか。カシミールでイスラム過激派による銃撃事件が起きました、20人を超える命が奪われました。これを受けてインドは対パキスタン政策を強硬なものにしています。カシミールはいまだにはっきりとした国境が決まっていないところでもあります。農業に大切な水問題もこの対立に含まれてしまいました。どのように解決していくのか難しい問題です。フランシスコ教皇が死去しました。丁度公開されている「教皇選挙」という映画と同じことが行われています。庶民的な人物と言われたフランシスコ教皇。世界平和と人類愛に自分の生涯を捧げた教皇の願いを実現したいものです。トランプ大統領がウクライナ和平案を提示してきました。内容はロシアに有利な部分が多くウクライナやヨーロッパ諸国がすぐ受け入れるか不明ですが、トランプ大統領は「期限がある。それを過ぎれば手を引く」という態度を示しています。何故アメリカは先を急ぐのでしょうか? その理由も考えてみました。トランプ大統領の施策が次々に繰り出されている中、G20財務大臣中央銀行総裁会議が開かれました。多くの国が関税問題が世界経済に与える影響が余りにも大きいという懸念を表明しました。今行われている国内改革も問題です。アメリカは世界をリードする科学力を持っていますが現状ではそれを推し進めていくことが出来ない状況になっています。大学に対しての圧力も大きな問題です。乱高下する金融市場をどのように沈静化していくのか。有効なトランプ対策を各国が色々と考えていく必要があります。
モゲ散歩
2025年度前期モゲ散歩最初の散歩です。今回は八丁堀から茅場町方面に歩きました。八丁堀といえば奉行所に勤める与力や同心が住んでいた所として有名です。いまは面影もありませんが八丁堀の跡に作られた公園や中央区の郷土資料館で当時を偲びました。そこから忠臣蔵で有名な堀部安兵衛邸宅跡に行きました。そして掘割を渡って霊岸島に行きます。ここには明治になって四谷左門町から遷座した御岩稲荷田宮神社があります。怪談のお岩さんを祀った神社です。当時は広大な敷地にあったようですが関東大震災で被災し、現在は小さな神社になってしまいました。近くには金毘羅神社や新川大神宮などの神社が数多くあります。この霊岸島の中央には霊岸寺がありましたが、振袖の大火で被災し、先日訪れた清澄に移動してしまいました。今は公園になっています。そこから茅場町方面に歩いていきます。周辺にはたくさんの証券会社のビルが立ち並んでいます。ここは兜町といわれる所で東京証券取引所があります。この建物の中には渋沢栄一の邸宅内に縁起物としておかれていた佐渡産の赤石が展示されています。近くの日枝神社は御旅所と呼ばれ山王にある日枝神社のお祭りのときに担がれるお神輿がここで休むといいます。その先には明治時代日本初の火力発電所があった「電灯供給発祥の地」や「第一銀行発祥の地」「郵便発祥の地」などがあり、東京の中心地であった事がわかる遺跡がたくさんありました。
世界を知る
世界は時々刻々変化をしています。世界で進むポピュリズムの影響はかなり大きくなっていると考えます。そんな世界で起きていることを取上げていくのですが、その原因や対応を調べていくのはかなり難しいと思っています。今回の講座では停戦から戦闘状態に戻ってしまったガザ地区についてイスラエルの考え方に変化があったことを指摘しました。ハンガリーのオルバン首相がウクライナ問題でEUの結束に抵抗しています。アメリカが距離を置いたウクライナを助けるためにはどうしたら良いのかを考えていく必要があります。和平の光が見えないウクライナ紛争です。現在でも民間人の犠牲が増えている中で大国の力のバランスで解決しようとしています。国際社会の中でこういった問題をしっかり考えて行動していく必要性を強く感じます。ブルネイという国を取上げてみました。税金も教育費もないという国家です。財源は石油と天然ガス。これを輸出して栄えていますが、イスラム教を基にした法律で国民を縛り付けています。高齢の国王が特権を掌握していて海外からも批判を受けているのですが是正しようとする動きはありません。エジプトで古代文明の遺跡が次々に発見されています。歴史を塗り替えるような発見もあり、歴史のロマンを感じさせられることでした。最後にアメリカに関連したニュースを取上げました。トランプ大統領の政治のやり方に様々な問題が起こっています。全国で反対するデモが起きていますが若者や移民の参加が少ないと言います。参加すると拘束されたり学位を取り消されたりとトランプ大統領が圧力をかけているからです。大学側も抵抗していますが補助金をカットするという圧力をかけています。こういったことがアメリカにプラスになるのでしょうか?関税問題を解決するために赤沢大臣が渡米しました。急にトランプ大統領が直接会うというハプニングがありました。日本がどのように対応していくかが今後の世界に大きく影響しそうです。
モゲ散歩
2025年度最初の授業です。今回は学校の教室での座学という事になりました。今回は地名についてお話しするという趣旨でスタートしました。地名は人間が生活してく中で自分の居場所や目的地を示す語が地名になっていったと言えます。その中で人間が集団として居住する最小単位をムラと呼ぶようになっていきます。そこで他の集団との区別をするために固有の名前を付けていきます。それが地名です。時代が過ぎていくとそれぞれの集団が大きくなっていきます。その最小の単位を「村」とします。その村が次第に規模を拡大していくと町になります。この時の町は田畑の畔道が領域の区切りになります。「町」という字の成り立ちがそこにあります。時代が進むと物を作る職人たちが現れきます。その職人を含む人口が居住することになるとその領域は徐々に拡大して大きな街が形成されます。この「街」の字の成り立ちは大きな街にはたくさんの十字路があるからちうことになります。こうやって街といわれるところはどんどん大きくなっていきました。そこに固有の名前を付けていくのが地名です。様々な難読地名も現れてきます。この地名が明治になると市町村合併で姿を消していきます。今までは地名からその地域の暮らしや歴史がわかるような所もあったのですが、市町村合併でカタカナ文字の地名の登場など大きな変化が起きています。