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世界を知る

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トランプ大統領の関税政策が世界に大きな波紋を広げています。4月の関税収入は前月比87%増の163億ドルになったということです。それでも債務超過は是正されずアメリカ経済の先行きは不透明のままであることには変わりありません。フィリピンの中間選挙で前評判を覆してドゥテルテ副大統領支持派が多数を得ました。親米親中それぞれの思惑が今後どのようになって行くのでしょうか。アメリカが海外への人道支援を大幅カットし、主要支援国もウクライナ支援や防衛力増強で資金を取られ人道支援への金額が減っています。しかし、現在でも多くの人たちが毎日の生活が出来ない、病気で明日を迎えることが出来ないという人たちへの様々な支援が低下しています。今後どのような国がどれだけの支援をしていくことが出来るのでしょうか?世界の平和を希求し人々の安定した生活確保を第一に考えて欲しいものです。トランプ大統領はなぜこのように世界を混乱に巻き込むような政策を次々に出していくのでしょうか? 専制国家の大統領のような行いは奇異に映るのですが、アメリカ国民は喝采を持ってトランプ大統領を支援しています。自分の周りにはYesManしか置かない状況の中で、異を唱えるとすぐにその職を追われてしまう。だから何も言えない状況が作り出されているのです。そしてメジャーなジャーナリズムはトランプ大統領のネガティブ面しか報道せず、結果的にその内容はフェイクであるとされてしまう。情報の信頼性の確保が課題という事になるのでしょうか。とにかく就任100日を超えていかに自分が偉大な大統領であるかを喧伝する状況の中で時間が進んでいます。そんな中で米中関税交渉が行われ115%減という大きな成果を得たと自画自賛するアメリカですが、本当にそうなのでしょうか? これからの時間でその答えが検証されることになるのだと思います。ウクライナ問題についても和平交渉が始まりそうですが双方の大統領は出席せず十分な成果を得られるのかが未定という結果になりそうです。トランプ大統領は中東の主要国を訪問しています。イスラエルには寄りません。今回の訪問で総額1兆ドル以上の対米投資を取りつけました。トランプ大統領は成果を誇示しています。しかし無視されたイスラエルはガザ地区への総攻撃を開始し毎日のように激しい攻撃が行われ多くの犠牲者が出ています。それぞれの立場での主張はあるとは思いますが「命」という視点でそれを守るための不断の努力を何故しないのか? 国際問題を考える時にその解答は簡単なものではないということなのです。

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