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モゲ散歩

  • 教養・スキルアップ

今日の散歩は築地居留地跡を中心に回りました。明治元年(1868)に東京の町中に外国人だけが住む場所を確保するために、当時大名屋敷だったこの地に居留地を作りました。日本全体では長崎や神戸、横浜、新潟などに作られました。これらの居留地と築地の違いは商人がいなかったことです。商人は横浜に住み、用事があると鉄道で東京にやってきたのです。その為築地には外国政府の役人や宣教師が住みました。宣教師の人たちは学校や病院作りに奔走します。アメリカ聖公会のトイスラーは聖路加病院を作ります。同じ聖公会のウイリアムは立教学院を作ります。これをはじめとして女子学院、雙葉学園、青山学院、明治学院などキリスト教系の学校が作られていきます。後に他の地に移っていくのでここには石碑しか残っていません。その中に築地カトリック教会が現存しています。パルテノン神殿のような外観を持つ建物で、中には踏絵なども展示されていました。居留地に住む外国人の為に牧場も作られたのですが、その経営者が芥川龍之介の父親で、龍之介はこの地で生まれました。そこから隅田川沿いに北上して鉄砲洲にある汐見地蔵や鉄砲洲稲荷神社に行きました。鉄砲洲稲荷神社には富士塚がありました。また、この辺りは戦災の被害を受けなかったところもあり、大正時代の住宅も残っていました。

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