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世界を知る

  • 教養・スキルアップ

寒の戻りのような天候が続いていますが太陽の暖かさは確実に春に向かっているという感じがします。今日の話題の最初はこんなものでアレルギー反応が出てしまうというもの。赤身の牛肉を食べてアナフィラキシー症状で死に至ってしまったという話でした。食品などに過敏になっている人が身近に多くなっているとは実感します。今身近に利用できるようになってきたAI(人工知能)ですが、それを使って裁判を起こしたという事でアメリカの日系企業が逆に裁判に訴えたというものです。AIに弁護士資格はないのにそれを利用して訴訟を起こして多大な被害を受けたからというのが原因です。AIは戦争にも使用されるようになっていますが、人間の能力を超える力を持つものを私たちはしっかりと管理できるのでしょうか。茨城県で不法就労対策が問題になっています。県が情報提供者に報奨を与えるというもので外国人差別を助長しないかと危惧されています。オーストラリアで開かれていた女子サッカーのアジアカップでイラン代表の選手が国家を歌わず国旗に敬礼しなかった事から批判が噴出し、帰国したら逮捕などの危険性があるとして、人道的に亡命を認めるという措置が取られました。アメリカの相互関税に対して最高裁がこれを認めない判決を出したことから、国際貿易裁判所は国に関税の返還を求めました。トランプ大統領側は返還しないと言っていますが、この問題は新たな関税設定の問題と合わせてみていく必要があります。●先日熊本の陸上自衛隊基地に防衛能力向上の一環として、日本が開発した長距離ミサイルの発射台が搬入されました。搬入することについて県や県民への説明もないままに行われたことで、県知事は遺憾の意を表しています。今後他の地域にも配備される予定ですが、国側の説明責任が問われる問題なのではないでしょうか。武力行使の三要件での専守防衛を基本とした集団的自衛権を実行したことになります。●イランでハメネイ師の後継者が決まったという報道がありました。ハメネイ師の次男のモジダバ師です。世襲制を否定していたハメネイ師でしたが、その後継者に次男が就任するのはなぜか。それも長男ではなく次男なのは何故か?モジタバ師が革命防衛隊に強いパイプを持っていて対米強硬派であるとかが言われていますが、いまだに国民の前に登場していません。就任にあたっては革命防衛隊が裏交錯したのではとの見方があります。イランという国の複雑な政治体制の中で起きたことは外部から見ることは出来ないのが現状です。戦闘が始まって2週間が経とうとしています。12日になって初めてモジタバ師が対米強硬姿勢を打ち出す声明を発表しました。このこともあるイランは徹底抗戦を表明し、ペルシャ湾内に機雷を投下し始めたとも言われています。長期化する戦闘で石油供給がひっ迫して行く中で、国際エネルギー機構は加盟国の備蓄石油の放出を決めました。これに先立ち高市首相は国内の石油ひっ迫を緩和するために1.5か月分の備蓄放出を表明しました。●今回のイラン攻撃に対してどのような評価がなされているのかを見てみました。国連安保理でイランを非難する決議案が採択されましたが、この効果は今のところは見られません。イスラエルでは多くの人が攻撃を評価しています。一時支持率が低下したネタニヤフ首相にとっては追い風となっています。それに対してアメリカは支持しないと答えた割合の方が多いのが特徴です。今回の攻撃を決断したトランプ大統領は「裸の王様」のような存在になっていると言えます。自分の周りにはトランプ大統領の意に沿って行動する人ばかりを集めていて、都合の悪いことは伝わってこない状況を作っているようです。ある面思い付きで発言しているように思える大統領の言動に不安を感じることが多々あるのは私だけでしょうか。しかし、イスラエルの攻撃は石油関連施設にも及んでおり、報復としてイランは湾岸諸国の命綱の淡水化プラントに攻撃を仕掛けています。ガザの和平を推進するためにトランプ大統領が創設した平和評議会に多額の資金を提供している湾岸諸国として、この状態を甘んじて受け入れるわけにはいかなくなると考えます。この戦争で環境が破壊されていることに誰も言及していないのが残念です。なかなか出口が見えない中でトランプ大統領はプーチン大統領に電話をしてイランとの仲介を依頼したようです。戦争ほど愚かな行為はないと誰しも考えるとは思うのですが、実際には戦いが起きてしまう。そんな現実の中で我々がどう行動するかが問われているのでしょう。
●「世界を知る」という講座を始めて10年が経ちました。今回の講座でこの講座は最後になります。この10年新型コロナの蔓延やウクライナ紛争がありました。2016年の7月1日の授業ではマイクロプラスティックの話をしていました。その後は大統領選挙から始まったトランプ大統領の第一次政権の話題が一つの軸になっていました。という事はこの講座はトランプ大統領に始まりトランプ大統領で話題が終わる、そんな講座になったという事です。この講座では出来るだけ世界や国内で起こるニュースを取上げながら分かりやすく話をすることにしました。ある面教員として生徒に教えてきたこととは大きく変わりました。毎回同じことは取上げないので自分にとっても大変苦労もしましたが勉強になった講座でもありました。今まで参加された方や、講座だよりをご覧いただいた方に深く感謝をいたします。ありがとうごさいました。

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